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●1「今宵はスーパームーンらしいですが、微塵たりとも興味がない件について」
※あらすじ

 暗い自室のなかで、滝ケ谷絖はPCモニターに向かっていた。書いているのは小説である。誰にも知られていない、知られたくない彼の一面。彼は小説家志望の高校生である。
 だが実際、彼がこれまで作品らしい作品をかきあげたことはなく、いつも途中で投げ出してしまうのが常だった。そして本日もまた、礼のごとく行き詰まり、モニターから離れる。気分転換に窓を見るといつもより月が大きいような気がした。そこでワタルは午前中にスマホに流れてきたスーパームーンというワードを思い出し、合点がいく。だが、だからといってどうというわけでもなく、ワタルはふたたびモニターに体を向き直した。

 大きな月が窓に映り込んでいるが、女子高生・小寺沢世界がそれに気づくことはない。
 彼女の部屋はマンガ・プラモデル・フィギュア・小説などサブカルに埋め尽くされた状態にある。ヘッドフォンからは、造っているプラモデルロボのアニメの主題歌が流れている。彼女は自分の世界に浸りながら、プラモデルの製作に没頭していた。まもなくプラモデルが完成すると、彼女はそれを新たな一角へと飾った。そしてその余韻に浸る間もなく、次は乙女ゲーのポスターを見るや、そのノベライズ本を手に取ると、読書をはじめた。
 オタクとは言っても、彼女にジャンルへの偏見は無く、どんなものでも楽しめる、ある意味で器用貧乏な系統のオタク女子である。

●プラモデルではなく、ここではヒーロー映画。すでにここで峯厚子の伏線を張っておき、次のシーンでさらに人助けが得意と入れておく
●少年漫画から少女漫画、旧字体を使った、埃くさそうな古典文学、ロボットプラモデルから美少女フィギュア、洋画ディスクやゲームソフトなど、多彩なジャンルが家に並んでいて、守備範囲が広いという嗜好傾向をしっかりここで描画する
●彼女の一人称で進める 彼の名前は●●私の今イチオシのキャラクターです。そろそろ
そう、私はオタクってやつなのです。

 そんな彼女を、大きな月を背景(バッグ)に、外から見つめている者がいた。
そのシルエットは中学生ぐらいの背丈の少女である。なんとその少女の体は、夜空の上に浮かんでおり、クスリと不敵な笑みを浮かべた。

●2「
※あらすじ
 ほぼ徹夜の状態で起床。クマを湛えた、腫れぼったい目をこすりながら、世界は学校へと向かう。学校での彼女の立ち位置はきわめて地味なものである。仲の良い友人がふたりほどいるが、それを除けば青春とは無縁の日々を送っている。
通り過ぎるリア充や、授業では特に目立たないなどといったことが語られていく。
 寝不足のせいか、授業中にコクリ、コクリと意識を朦朧とさせる世界。だが近くで堂々と眠っていた居眠り常習犯・滝ケ谷絖が注意される声を聞いて、何とか意識を振り戻した。
 その後も苦手な運動の授業で、派手に転倒する様子を、イケてる女子グループに嘲笑われたり、返却されたテストの成績がイマイチ振るわなかったりと、地味に嫌なことが彼女を襲うが、自分がそういった存在であると自覚し、そして現実が平凡であるとも解っている世界は、それほど悲観的ではなかった。

●食事の様子はきわめて地味に、机で華やかというよりも外の隅っこ

●後の遅刻を際立たせるためにこの地点で優等生であることを強調

● 人助けが得意と入れておく、前シーンでのヒーロー映画という伏線と後のヒーロ化への中継ポイントととして

●3「
※あらすじ
 放課後となり、彼女は所属している「サブカル」部へ向かう。
そこには部長の乙清志郎を筆頭に、非部員の剣弥之介、その取り巻きのギャルなどがいた。部長の清志郎は学年がひとつ上の2年生。少し癖のある人物ではあるが、世界はその変なキャラクター性を通し抜くその姿勢が好きだった。剣弥之介もヤンキーなのに、見た目やコミュニティ内の立ち位置などで人を差別したりせず、誰に対しても飾らない、そんな彼のことも嫌いではなかった。世界はいつものようにふたりが喧嘩している様子などを観ながら楽しんでいると、顧問の女教師・京味千歳がやってくる。教師らしからぬ傍若無人な性格である彼女は、サブカル部を完全に私物としており、その日は突如として、最近専らハマっているオカルトに影響されてか、UFOを呼んでみようと言い出す。部長は反対するが、彼女が職権を振りかざすと、渋々合意する。そして世界もまた、断りきれずにその謎の夜会へと向かうこととなった。
●ここが問題部分 なにかこの先の展開で活かせる、意味のあるイベントに変える

●4「
※あらすじ
 会はお開きとなった。だがその帰り道の途中、クラスのイケてる女子らに絡まれていた塾帰りの友人・さっちゃん(早枝)を見かける。
 彼女を助けようと思ったが、足がすくんで動けない。むしろ彼女らに反駁することで、自分の社会的安寧が崩れることを恐れている自分に対しての自己嫌悪が頭のなかで堂々巡りする。
 すると頭のなかから「彼女を助けたい?」などといった少女のような声が聞こえてくる。世界は最初、それはいつも自分の頭のなかでおしゃべりし続けている自分の頭のなかの声だと思っていたが、それが別のなにかである(私だれとキャッチボールしてますのでしょう?)ことに気づいてギョッとして振り返る。
 宙に浮かぶ小さな光体。それを見ておもわず驚きの声をあげそうになったが、それよりも先にその光体は、言うが早いか、世界の身体のなかに入ってしまった。
 瞬間、膨大な情報が頭のなかを駆けめぐり、世界は絶叫する。その絶叫を聞き、早枝を取り囲んでいた女子たちはなんとなく怖くなって逃げ出した。いっぽうの早枝は、怖がりながらも絶叫のほうへ近づいていき、そこで倒れている世界を発見した。

●5「
※あらすじ
 世界が目を覚ますと、そこは自室のベットだった。なんとか昨夜の記憶を思いすが、光体が頭のなかにはいってきた辺りの記憶はイマイチ自分でも現実だったのかどうか、判断がつかなかった。
 学校へ向かうと、友人の峯が遅刻してくる。
小中高とこれまで周囲から浮くようなことをしたことの無かった峯が遅刻してきたことを不自然に思う。
 昼食の時間となり、世界は峯になぜ遅刻してきたのか問うと、峯にまるで暗黙の了解があるかのような態度を取られ、さらに隣の早枝にも注意を受ける。どうやら見に覚えのない秘密が、峯にはあるらしかった。●食事の様子はきわめて地味に、机で華やかというよりも外の隅っこで
 謎はまだまだあった。華道部に入っているはずの峯が、帰宅部となっていた。しかも辞めたのではなく在籍の記録すら無かった。
 たまたま「サブカル部」の休みだった世界は、彼女と帰ることにするが、突然彼女が、何かを感じ取ったかのように動きを止めると、「セカちゃん、アレが来たからお願い」と言われる。わけも分からず世界は聞き返すが、峯はさらに遠くを見据えながら、顔をさらに深刻そうに歪めると、世界の手を引っ張り、路地裏に連れて行かれた。そして「そこに立っていて」と命じられた世界が立っていると、峯がおもむろに服を脱ぎだした。制服の下にあったのは、アメコミ―ヒーロー然とした謎のヒーローコスチュームだった。峯はさらにかばんに入っていた顔を隠すマスクを付けると、「すぐ戻ってくるから待ってて」とだけ言い残すと、なんとそのまま空へ飛び上がっていったのだった。セカイはただただ唖然とした。

●6「
※あらすじ
 翌日、SNSで拡散された、ヒーロー少女とバスジャックとの戦いの映像を、男子が観て興奮している様子に、世界と峯は聞き耳を立てていた。峯は自分のことを噂されていると自覚しているのか、もじもじとしていた。
 だが世界もまた、突如変わってしまった世界に困惑していた。見に覚えのない記憶、非現実的な超パワー、まるで世界が創り変えられたかのような違和感。あるいは自分が夢を見ているのか、とにかく自分の理性を疑っていた。昨夜の光と出来事が関係しているのかと思ったがそれを確かめる手段もない。
 それでもこれといった答えの出せない世界は、ひとまず峯の活躍をSNSで検索してみる。
 するとすぐに峯の活躍する映像が出てきた。だがそこであることに気づく。コスチュームで首元が隠れていないため、首元のほくろが見えているということだ。世界はすぐにそれを指摘して、峯もまた、次からは首元の隠れる新しいコスチュームを用意しようと思うのだった。
 そんな二人の会話を、机に突っ伏していたワタルが、気づかれることなく聞いていた。ワタルはSNSで例の映像を検索してみると、彼女らが喋っていたとおり、ヒーローの首元にはホクロがあるのだった。

●7「
※あらすじ
 とにもかくにも、世界は友人がヒーローになってしまった世界観に順応しようと努めるようにした。スーパーヒーローとして活躍する峯のサポーター的役割として、日々その活躍を見守る生活を送っていた。
 だがある日、彼女らの秘密に気づいていたワタルに、峯の正体がバレてしまっていたことが分かる。
 世界は稀少な自分の友人である峯を守ろうと、ワタルに交渉するが、幸いにもワタルは理解ある人物であったため、これといったトラブルが起こることは無かった。
 そればかりか、異性と話すことが苦手だった世界は、なぜかワタルとは気軽に話せる仲になっていく。
 そして峯を主軸とした世界が続いていくが、ある時、峯のコスチュームが破れて顔が出てしまったことをきっかけに、峯は一躍衆目の的になってしまい、どこかへ姿を隠してしまう。彼女の寂しげな様子を見た世界だったが、特にどうすることもできない無力感に苛まれる。
 そんなある日、眠りに落ちた世界は、夢のなかで不思議な少女に出会い、そこで世界が変わってしまったのは、自分のなかに宿ってしまった、世界創造の能力が原因であるという説明を受ける。まもなく今の世界を続けるか問われたが、なかなか充実しているということもあり、世界は今の世界を続行することに決める。
 世界を作り直すことに決めた。そして力が大切な峯に渡らないということを条件を強く願った。

●8「
※あらすじ
 朝目が覚めた世界は、すぐに世界が変化してるかを確認しようとスマホを開く。だが携帯にあるはずの峯の連絡先が無かった。ただもうひとりの友人、早枝の連絡先のほうは残っていたため、そちらに連絡してみると、再び食い違いが生じる。学校で実際に早枝から話を聞いてみると、どうやら峯と自分たちは、いっさい仲の良くない関係性に変化していることを知った。幼い頃からの自分との関係性が消えてしまったことに対して、世界はどこか虚無感を感じざるを得なかった。
 だが同時に、新たな変化があった。放課後、ひとりでいるタイミングでワタルが話しかけてきたからだ。なんと彼は、なぜか記憶を保持している者だった。ワタルに自分の能力のことを打ち明けようかと思ったがそれは言わないことにした。
 だがしばらくすると、世界はふたたび退屈になってしまった現実にどこか飽き飽きとしてくる。そこで部屋に飾ってある、人間を悪い宇宙人から守るという設定のバトル漫画のキャラクターフィギュアが目に留まるが、そこへの興味もすぐに忘れてしまうと、その日はふたたび眠りに落ちた。
 だが突然、眩しい光に目を覚ます。目を覚ますと、そこは燦々と光る壁に囲まれた無機質な空間だった。しかも世界は気づけば自分が全裸であることに気づいたと同時に、無機質な手術台然とした台の上に寝かされていることに気づいた。
 すると、横から聞き覚えのある声がした。だが声のした方に立っていたのは、耳がエルフのようにとんがり、灰色の皮膚を持った、奇妙な宇宙人だった。
 世界は裸のままそこから逃げ出そうとするが、すぐにその宇宙人に追い詰められる。世界は壁際で体を丸めて怯えたが、その宇宙人が
「おいオタク女」
と話しかけてきた。自分をそう呼ぶのは彼しかいない。
目の前に立つ宇宙人の人相を見ると、それは剣弥之介だった。
世界はそこでようやく自分の裸に気づいて恥ずかしさを抱くが、弥之介は異星人の裸に興味ねぇよと一蹴して、隠せる布を一枚投げてよこした。
 世界はなぜ自分がここにいるのか尋ねると、どうやら自分は弥之介らと敵対している異星人との抗争に巻き込まれたのだと言う。記憶がないのは、先ほど乗っていた座台の上で、記憶を消す光を浴びさせられたからだと言われた。
 その後も弥之介らと同種で、地球に溶け込んで生きている異星人たちなどと交流するが、その流れで峯が片想いしている人物、巴が怪我を負ってしまったため、世界はふたたび世界を創り治すことを決め、今度はおもしろいけれど、特別な能力の無い世界を希望した。
 いっぽうのワタルは、世加依に関心を持つようになり、世加依と同じ中学だったクラスメイトなどに、彼女がどんな人物だったのかなどをさりげなく尋ね、彼女がさまざまな黒歴史を残していることを聞き、聞きながら恥ずかしくなったりした。

●9
※あらすじ
 朝目覚めると特殊な力のない世界にはなっていたものの、代わりに乙女ゲー的なモテモテ補正の入った世界に変化していた。早枝が、高校デビューしたかのように容姿端麗になっていることに気づく。しかも世界が早枝に話しかけると、なぜか早枝がよそよそしくなっていた。さすがに世界変化に慣れていた世界は、すぐに早枝が、自分と友人では無くなってしまったということに勘付いた。
 早枝を追うように世界は学校に向かうが、彼女は男たちに次々にナンパされ、あげく言葉の通じない外国人にまで声を掛けられる始末。
 やっとの事で学校にたどり着くや、早枝は校内屈指の美人として、有名な存在になっていることを知る。友人の変化にたじろぐ世界であったが、背後からワタルに話しかけられた。ワタルもまた、世界補正が掛かってしまったのか、容姿端麗な姿に変化していた。いままで自分と同じ地味な存在だったにも関わらず、男女問わずチヤホヤされている早枝を見て、どこか羨ましいような、寂しいような、世界は複雑な心境になる。いっぽうの峯も、まったく違う女子グループに属して昼食を撮っており、友人らと話して楽しそうに笑う姿を見て、世界は席を立って屋上に向かった。その様子を見て、男友達らと談笑していたワタルは、腹痛と言ってトイレに行くフリをしながら、世界を追いかけた。
 世界が屋上に行くと、誰もいなかったが、夢にしか出てこないあの少女に話しかけられた。少女は能力の調子はどうかと聞いてきたので世界が微妙だと答える。しかし少女は、それは世界自身が自分の力を使いこなせていないからだと言った。
 それに対しての答えに逡巡していると、「誰と話してんの?」と声を掛けられる。それは追いかけてきたワタルだった。
 そこでようやく、世界はひとりで抱えていたあらゆる事をワタルに打ち明けた。信じてもらえないと思ったが、ワタルの理解力は鋭く、むしろどのような仕組みなのかを知りたがった。
 それから、世界とワタルは定期的に秘密の談義を行うようになった。
 

●10
※あらすじ
 ある時、ワタルふたりで街中歩いてるところを、イケてる女子グループに見つかりバカにされるが、弥之介が助けてくれたりする。
 そんななかワタルは、さまざまな知識に精通する世界に、自分が小説家を目指しているということを世界にカミングアウトする。それは彼が、親族にも、親しい男友達にも打ち明けたことの無かった、勇気のいる行動だった。
 そして世界は彼の書いた小説を読むが、彼の厳しく批評してほしいという要望もあり、厳しめのコメントを言ってしまう。するとワタルは顔をうつむき、何も言わずにその場を去っていった。世界は自分が過ちを犯したことに気づいて追いかけるも、すでにワタルの姿はそこには無かった。
 
 だが先日、弥之介によって助けられた事件があったことで根に持たれた事と、すべてが美化された世界でひとりだけ地味な見た目の世界は、女子たちから、イジめの標的にされる。
 世界は彼女らが消えてほしいと心のなかで思うが、その翌日、その女子らが消えていた。どうやら能力が自分の意識とは裏腹に発動してしまったらしい。
 消えた原因は世界設定のなかで自動でこじつけられ、部長を主人公とする、怨嗟怪異モノの世界になっており、イケてる女子たちは、どうやらその怪異とやらの仕業によって失踪してしまったことを知る。そのあとも見ず知らずの人々にも被害が及び、世界はすぐに世界の修正をしようとするが、なぜか少女が現れない。
 困った世界の様子に気づいたワタルは、しばらく疎遠ではあったが話しかけ、ふたりは謝罪し合って仲を取り戻した。そして二人は議論の結果、世界が変わるのは彼女が眠りに落ちると起こるのではないかという推測にたどりつき、ふたりは放課後、廃ビルへ向かい、彼女が寝静まる様子をワタルに監視してもらうことにした。
 神経質な世界はすぐに寝付けず、気づけば夜になるが、なんとか寝付くことができた。そして世界が眠りに落ちた瞬間、世界の身体からまったく同じ姿形をした世界が、分離したように登場する。だがそのもうひとりの世界は、見た目が同じだけで、世界の人格とはまったく異なる、狂気的な言動を撒き散らしながら、アヒャヒャヒャ!と奇妙な声を挙げて、廃ビルの屋上へと駆けていった。そしてその彼女がまるでクラシック指揮者のように手を振り上げると、みるみるうちに辺りの景色や建造物が灰色の光に包まれたかと思いきやまったく別の形に変貌していった。その様を観ていたワタルは意を決して分離した世界に話しかける。
 すると世界は恍惚な笑みをワタルに投げかけながら、自分が本当の世界だと語った。だがまもなくワタルの周囲も灰色の光に包まれていき、ワタルはなんとかその光に呑まれまいと走るが、結局は追いつかれてしまい、そのまま意識が暗転した。

●11
※あらすじ
 眠りに落ちると自分がもうひとりの自分に意識を乗っ取られることに気づいた世界は、睡眠状態にならないようになるべく眠らないようにした。そんな世界にワタルは優しく寄り添い、ワタルは世界に感謝しているという正直な気持ちを伝え、挫けそうになってる世界を励ました。
 だがついに眠気がピークに達してくると、世界の意識が、狂乱したもうひとつの景色と混濁してくる。ワタルは意を決して彼女を抱きしめて、なんとか意識を取り戻させようとしたが、ついにもうひとりの自分を抑えきれなくなった世界は、もうひとりの自分と完全に分離してしまう。
 さらに世界創造の能力の大半は、分離した悪い世界のほうに取られてしまったのか、彼女のタクトによって、凶悪な怪獣や悪そうな生命体がつぎつぎに創造されていく。
 世加依は光景を嘆くいっぽうで、もうひとりの自分から内心では世界を自分の思い通りにできることを楽しく思っているではないかと詰問され、少し揺らいでしまう。

●12
※あらすじ
 召喚された悪い創造物らによって、地上はすっかり崩壊の危機に瀕してしまう。
 そんななか、世界たちがいた場所も攻撃を受けて崩壊。世界が高所から落ちそうになり、なんとかワタルが手を掴む。しかしなかなか引き上げることができない。
 そこで世界はワタルに、手を離してほしいと言う。
自分が死ねばもうひとりの世界も消えて、すべてが丸くおさまるはずだと言って、ワタルに手を離すことを要求する。しかしワタルはそんな大胆な賭けはできないと断り、火事場の馬鹿力で世界を引き上げていく。だがワタルの努力もむなしく、重みで床ごと抜けてしまい、ワタルとセカイは、もろとも地上に落ちていく。
 ヤバいやっぱり死にたくないーー!迫りくる地面を前に、目をぎゅっと閉じたセカイがそう思った瞬間、落下するふたりを受け止める、ふたつのシルエットが現れた。
 それは峯敦子と剣弥之介だった。
ワタルは敦子に受け止められ、セカイは弥之介から受け止めてもらう。
 2人の救世主は、かつての設定を取り戻し、特別なパワーを有していた。
 挨拶もそこそこに、そこへ新たな攻撃が飛んでくるが又清志郎や巴なども登場してそれを防いだ。
 最後にはセカイが推しているあるキャラクターも現実世界に具現化されて合流する。
 そして、暴走する悪セカイを止め、街の崩壊を止めようと集合した力を合わせることになる。

●なんですか、ア●ンジャーズ的展開は。
●胸の感触の描写後→敦子と認識するワタル→ここでワタルからセカイの視点に切り替わる→セカイが弥之介と認識するところから視点開始

●13
※あらすじ
 さまざまな人物の協力もあって、セカイは暴走するもひとりの自分のもとにたどりつく。そして彼女の暴走を止めることに成功する。
 すると彼女のなかから、ひそんでいた夢のなかの少女が姿を現した。
 その半霊体のような少女は、ある超文明のあった星によって作られた創造器・アムテリカであり、生命の魂が持つ欲望を叶えることでそれを栄養として生き永らえている存在であった。そのためその能力によって、アムテリカを創ったその星はその自らが創ったものによって消滅。そして行き場を失った彼女は宇宙を転々とするが、そのすべての星が、彼女の能力に溺れ、その欲望の力によって破壊されていったのだという。
 だがセカイには、たとえどんな願いを叶えられる能力を得られたとしても、それを捨て去り、自力で生きていく意思をもっていることを少女はなんとなく感じて、セカイに近づいたのだという経緯を語る。
 そして少女(創造器)は最後に、無私無欲であるセカイに、自分の破壊を命じる。もう二度と星が破壊されないよう、セカイに頼み込んだ。

 躊躇するセカイだったが、最後にはワタルの後押しもあって、彼女を破壊した。

 少女の姿が消滅すると、創造器の力によって改変された世界が少しずつ元にもどっていく。その幻想的な景色を、世界はワタルとともに眺めていた。
 ワタルは、世界といろいろな世界を体験したこの数ヶ月、なかなか楽しかったと本当の気持ちを打ち明け、同時にすべて忘れてしまう事を残念だとぼやく。
 だが世界は自分が覚えているからきっと思い出させると宣言した。そして時間は圧縮され、世界は元に戻った。

●14
※あらすじ
 朝、目を覚ましたセカイは現実が、能力を手に入れないまま時間だけが経過したーー状態になっていることにまもなく気がつく。
 当然、峯や早枝との友人関係も修復され、何も起こらなかった以前の状態に。久々の彼女らとの会話には懐かしさすら覚えた。
 いっぽうで、イケてる女子からの嫌がらせなど、かつての憂鬱な要素も復活しており、世界を少しは嫌な気分にさせたが、以前とは違う寛容さが、世界には芽生えていた。
 校内でワタルを発見するが彼は素っ気ない様子だったため、どうやら彼の記憶は消えてしまったことをセカイは察し、話しかけるのを辞めた。

いっぽうのワタルは、なぜか映画のチケットをふたつ買っていること、見に覚えのない自分の作品が、応募の佳作に入っていることを不思議に思っていた。
 そんなことを思いながら学校の廊下を歩いていると、意を決したセカイが目の前に現れ、
あろうことかいきなり抱きついてきた。わけも分からずうろたえるワタルだったが、その感触で全てを思い出すことに成功した。

●15
※あらすじ
 全てを思い出したワタルは、まもなく彼女に自分の作品がセカイのアドバイスもあって佳作に入ったことを報せ、
これからも相談役になって欲しいと願い出て、セカイはそれを承諾した。
 そして持っていた映画のチケットを渡して、一緒に映画に行く約束をした。

●16
※あらすじ
 当日、無事に映画は終了し、興奮冷めやらぬ二人は映画の内容に関する論議を交わす。ワタルがトイレに行き、
それを待っている途中、同年代ぐらいの、金髪ハーフの女の子、その同年代ぐらいの男子、
インド人の男といった奇妙なトリオを見かけたりしているうち、すっかり現実世界が元に戻ってしまったことをセカイは実感した。
それでも、以前のような退屈さを感じることはなく、通り過ぎるひとりひとりの人間を見るたびに、不思議な感動を覚えた。
そこへワタルが戻ってきて、じゃあ行こうと前を先導しはじめる。セカイはコクリとうなずいてその後ろを追う。
そして、「現実もそんなに悪くない」、そう思うのだった。

次敲・改善点
●各章ごと(世界変化ごと)に、その世界が最高と上げてから→下げて→辞めるというお約束のアップダウン、
起承転結を作る
●ワタルに見つかってからは、世界創り変えのたびに発見した
ことなどをふたりでディスカッションするシーンを節目に入れる
例・「仮に、わ、わたしたちそれぞれに魂のようなものがあ、あったとします。
それは絶対不変なのですが、そ、その人物のバックストーリーや、
容姿はある程度は変えることができるみたいなのです」(フィギュアを使って説明
「せ、世界補正とな、名付けます」
「前回の世界から別の世界へ以降する際は、こちらでも把握できないぐらい
自動でさまざまなつじつま合わせがされるみたいなんです」
●ワタルとの会話に関しては終盤まで世界は敬語を貫き通す
●自分を貫く勇気?
●睡眠状態で能力発現という設定をうまく活かすため、ふいの居眠りあるいは気絶などで
突発的な発現という展開も入れる
●巴の活躍回をしっかり入れる 巨大?(今のままではポッと出)
●シナリオ世界からの来訪者もしっかり前段階で伏線を張っておく

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2022年2月1日 / Novel